猟師の思索

 猟師と獣の関係は、大衆や取材者と芸能人の関係にも似ていた。狩猟者は、獲物をかわいそうと思いながらも、肉を切り裂き、美味しいと感嘆して、むさぼり食う。いつか自分も、食われ、朽ち果てることを予期しながら、それでも生きる。

『WILL』(日本、エリザベス宮地)は、スキャンダルで事務所を追われ、山にこもった俳優の生活に、カメラが入り込む。人がいる限り、生きることの業は、都会でも山村でも残存し、被写体による堂々巡りの思索は、ラップ歌手の叫びをも超えた誠実さがある。

     

 

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