争いを超えて

中上健次論においても、解釈の妥当性をめぐって正当・異端を争うのではなく、他の中上論を排除しない展開のしかたが望ましい。キリスト教的な護教主義による多元テクストの抑圧を避け、仏教的な、言説の自在な発展を規範としなければならない。(四方田犬彦中上健次パゾリーニ』―『すばる』2月号)

 詩人であり、映画監督だったパゾリーニと、小説に徹した中上の共通点と差異を論じた本講演は、文学を超えた分野の提言でもあろう。

                   



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