国益のために

 国家ぐるみで邪魔者を抹殺しようと思えば、手段はいくらでもある。殺害者の立場からすれば、活動は国益にかなうもので、やましさは、いっさい感じないのだろう。ここで問うべきなのは、何が国益かということだ。

 ダニエル=ロアーのドキュメンタリー『ナワリヌイ』(米国)は、ロシアに帰国した被写体が、空港で拘束されるまでを記録している。現政権とは別の選択肢を国民に訴えた彼を生かしておく道は、この国ではもう、消えていた。

 

                     



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