境界線

『月』(日本、石井裕也)の洋子は、重度障害者の施設で働いている。兼業作家でもあるが、小説が書けない。生活力のない夫や高齢の妊娠にも悩まされている。

 同僚のさとは、聴覚障害者の彼女がいるし、施設でも紙芝居をつくっている。職務に熱心な青年だが、純粋なあまり、同僚に感化されて、障害者を蔑視するようになる。ついには、施設内で惨殺を決行する。

 はたして、洋子は、さとになり得たのか。二人の間には、境界線がある。

        

 

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