群衆 

 関東大震災直後、暴動を恐れた村人が、行商人の一団を朝鮮人と勘違いし、無差別に視察する。民主的な村長も、血気盛んな群衆の前では、何の抵抗力もない。

 お国のため、家族のためという大義名分の前には、報道がデマかどうかなど、問題にはされない。群像劇『福田村事件』(日本、森達也)が描くのは、100年前の出花事どころか、現代劇とさえ、言えるのである。

         



アクセスカウンター