籠城の痕跡

 支配する側の警察からすれば、武器を持たない若者とて、抗議運動にかかわる者は暴徒にすぎない。あるべき生活も許されるべき自由も、考慮すべき余地はないとして、犠牲者は浮かばれない。

『理大囲城』(香港、香港ドキュメンタリー映画工作者)では、名門大学に立てこもったデモ隊と学生たちの籠城戦が、デモに参加した匿名の監督たちによって、鮮明に記録している。催涙弾や放水による暴力性や、無力に見えた抵抗の痕跡は、異国人にさえも、脳裏に刻み込まれるだろう。

                

 

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