悲惨ではなく

 ショービジネスでの成功を夢見た母娘の没落が主軸だが、『グレイ・ガーデンズ』(米国、アルバート・メイズルス、デヴィッド・メイズルス、エレン・ホド、マフィー・メイヤー)というドキュメンタリーで記録されたのは、それだけではない。汚れた部屋と対比された個性的なファッションがあり、憎悪と裏腹の深い親子愛があり、悲惨に見えながら、どこか楽し気な日々がある。被写体が母娘だけでなく、出入りする庭師や訪問客、監督自身も登場することで、映された世界が開かれたものになっている。

                

 

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