冤罪の扱い

 犯罪が確定されていない段階で、警察が強引な捜査を進め、マスコミが犯人扱いで一斉に報道する。被疑者の生活は無視。冤罪の可能性など考えもしない。被疑者に不利なエピソードだけが盛んに流され、無罪と訴えるだけの手段は極めて乏しい。こうした事態であれば、被疑者は、細心の注意を払いつつも、反撃の機会を得るべく小さな行動を積み重ねていくしかない。

 実話をもとに『リチャード・ジュエル』(米国、クリント・イーストウッド)で描かれたのは、爆弾テロと疑われて、人命救助の英雄から一転、犯罪人扱いされた警備員と、彼を支えた弁護士の孤独な闘いだ。この映画の舞台を米国だけと考えてはなるまい。                      

          

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