絶望と希望


 彼が亡くなったとき、お嬢さんのナジュラ・サイードさんが、「とうとうサイードは亡くなりました」という手紙を下さいました。亡くなったその日のうちに書かれたものだと思います。そこに「父は、絶望的と言ってもよいほど悲観的な状況にありながら、希望を持っている楽観的なひとでした」と書いてあった。それがひじょうに大切だと僕は思ったんです。(「半世紀後の『ヒロシマ・ノート』(早稲田文学2015年秋号)

 生き残っている者は、100%の絶望に駆られているわけではない。

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