モチーフは過去


小川 「男はつらいよ」もそうですけど、ご自分の世代より遡ったところに創作の材料を見つけていらっしゃる感じですね。小説にするために、時間が必要になってくるからでしょうか。

滝口 その感覚はあります。同時代の者はまだ位置づけが安定していないところがあると感じていて。


小川洋子×滝口悠生「過去の持ち歩き方」『群像』1月号)

 小説の本質的なモチーフは、現在にはない。書く時点で、すでに過去なのだ。

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