エーリヒ・ケストナー『どうぶつ会議』(岩波書店)では、人間の会議のふがいなさにあきれ果てた動物たちが、世界中から集まって緊急会議を開催。政治家が言うことを聞かないので、やむなく、人間の子どもたち全員を隠してしまう。子どもを返すことを条件として、取り決めにサインさせるためだった。
取り決めは、以下のとおり。
「1すべての国境をなくす。 2軍隊と大砲や戦車をなくし、戦争はもうしない。 3けいさつは、弓と矢をそなえてよい。けいさつのつとめは、学問が平和のためにやくだっているかどうかをみることにある。 4政府の役人と書類のかずは、できるだけ少なくする。 5子どもを、いい人間にそだてることは、いちばんだいじな、むずかしい仕事であるから、これからさき、教育者が、一番たかい給料をとるようにする」
大人は頼りにならない。子どもたちのための世界の始まりだった。