時間の経過


 夫が刑務所に入り、5年間、妻は一人で4人の子どもを育てる。ときどき面会しては、束の間の時間を楽しみ、出所を楽しみに待つが、いざ刑務所を出て、家族と暮らすことになった途端、夫は……。
 劇的要素を排した『いとしきエブリデイ』(英国、マイケル・ウィンターボトム)は、ドキュメンタリーのごとく、家族の日常を淡々と撮っていくが、その間も、子供は成長し、夫婦間にも微妙な溝ができる。時間の経過こそ、ドラマの要素なのだ。
 起伏の少ない映画を観るべきものにしているのは、抑制されつつも、しゃれた映像美である。

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