ドラマの功績


 時間軸の交差。個性派キャストのコラボレーション。小さなエピソードの鮮やかな回収と、根底の人生肯定。『監獄のお姫様』(TBS)は、宮藤官九郎の脚本が、よりさえ渡った喜劇だ。
 女子刑務所で知り合った面々が、獄中で子を産んだ女の冤罪を晴らすため、出所後に集まって、彼女の夫を誘拐して、真相を告白させようとする。
 難しい設定を綱渡り師のようなテクニックと着想でつなぎ、鮮やかに着地した脚本はまさに名人芸。だが何より、ドラマとして、しゃれっ気で笑わせ、抑えるべき箇所で観る者の心をつかんでいることこそが、功績なのだ。

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