2011-06-29 三人の密室劇 室内がほとんど。しかも登場人物は三人だけ。 場面転換の醍醐味を封印して映画を成功させるのは難しいが、『アリス・クリードの失踪』(英国、J・ブレイクソン )は、及第点と言っていい。 刑務所仲間の男二人が金持ち娘を誘拐して大金をせしめようとする。二人組は同性愛の仲であり、片割れは人質女性と恋人同士。入り組んだ関係がドラマに緊迫感を生んでいる。 各々に思惑があって、たびたび相手を裏切り、展開は二転三転。 とはいえ、こうした話は、映像での味付けが弱いと、演劇に負ける危険性を伴う。