パーソナリティー


橋本 『桃尻娘』を書くときに、こっちが二十七、八じゃないですか。主人公は十五だったでしょう。何が違うかというと、男と女が違うと考える前に、彼女は俺より十二年若いんだ。とすると、俺が知っている十二年分、彼女が知らないんだな。そういう引き算をしちゃったんです。……たとえば、自分が高校生だったときに好きだった歌を彼女は知らないはずだというふうにすると、じゃ代わりに彼女が好きなのはなんだろうと。そういうふうに抜いて代入していくと、パーソナリティーが出来てくるんです。
                       (橋本治内田樹橋本治内田樹筑摩書房

 人物の肉付けは、作者の計算能力に左右される。 

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