2011-02-26 毒には毒 『アンチクライスト』(デンマーク・ドイツ・フランス・スウェーデン・イタリア・ポーランド、ラース・フォン・トリアー)は、トリアー節が炸裂する。 息子をなくした妻も、彼女を治療するセラピストの夫も、自分を極端なほど追い詰め、残酷な結末を導き出す。 冗長で、痛々しく、おぞましい。それでいながら、見終わったときに、奇妙な爽快感が残る。 毒には毒。トリアーの映画には、我々の心に沈殿した毒素を流す作用がある。