今夜走るために

mukuku2008-04-30

 路線廃止で失業した鉄道員たちが、自殺したり、強盗に走る。
 安易に自主退職に応じたのがいけない、生き方を転換できないからダメなのだと、批判するのは簡単だ。しかし、誇りである職場を失ったのだから、鉄道員が自爆自棄になるのは、無理もないことである。
今夜、列車は走る』(アルゼンチン、ニコラス・トゥオッツォ)のラストで、少年たちが列車で見せたメッセージは、誇りを失った鉄道員たちを一瞬だけでも目覚めさせるだろう。
 それは、矛先をぶつけるべき相手がだれかということを知らしめるだけではない。鉄道員が当たり前のように鉄道で働いていたときの精悍な姿をも、思い出させたのではなかろうか。 
 

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