生命の価値

mukuku2007-08-05

 亡き叔父が特攻隊員だったことを知った日系2世のリサ=モリモト監督が、当時の隊員を訪ね歩く。『TOKKO 特攻』(米国・日本)は、狂信的な指令で死の恐怖を味わい、仲間を失った元特攻隊員の証言録だ。生存者の温和な口調から伝えられるのは、戦争の不合理と平和の大切さである。
 終映後、劇場の外でスーツ姿の男たちが話し出した。
「まじめな映画ではあるけどなあ」
「ドキュメンタリーは、つまんねえよ」
 スーツの襟元には大手生保の社章が付いていた。
 生命保険会社の人間にとって、命は商売の出しにすぎないのかもしれない。特攻隊員の生命でさえも。
 

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