セミは意外な場所に止まっている。網戸、壁、物干し竿……。声をたどりながら、居場所を見つけるのは楽しい。
相手が野生のコアラとなると、慣れた人でも見つけるのが大変らしい。
コアラを探してユーカリの林を歩いていると首が痛くなるほど見上げ続けなければならない。コアラが身動きするタイミングがつかめてくると1頭、また1頭というように見つけて数えられるようになる。こちらを見下ろしているコアラは実に用心深く我々を観察してくる。(『ナショナルジオグラフィック』8月号「コアラを相手に“かくれんぼ”」写真家・岩合光昭)
人間を見る存在はコアラだけではあるまい。