出発点

mukuku2008-04-27

 誰でも、社会の中で自分が名前のある存在として生きていたいと願っているのだ。そこに、詩と言うものの存立があると考えられる。だが、現在の社会では一人一人の人間がそれなりに存在を十全に認められているわけには行かないから、多くの人々から詩が読まれないのである。詩が存立する地点から、つまり一人ひとりの人間がそれなりに存在していることを主張するところから社会をくみ上げることは考えられないものなのであろうか。(『続・鈴木志郎康詩集』現代詩文庫)

 詩だけではない。自分の手がけるものを、その存在基盤から考えてみる。それが、自分という個人の出発点になるだろう。

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