少女の心情

 孤独な少女が農村の親戚夫婦の家でひと夏を過ごす。『コット、はじまりの夏』(アイルランド、コルム・バレード)は、それだけの物語だが、夫婦には、よその子どもに優しく接する理由があり、少女にも家にも学校にもいたくない事情がある。

 ほとんど口を利かない少女の目を通して、物を見たり、感じるうちに、自宅に戻った彼女が、自分を送り届けた夫婦の元に走り寄る心情に、納得が行くだろう。

         

 

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