ネオンの輝き

 香港の夜景を着飾ったネオンは、建築法の改正で大半が消えた。『燈火(ネオン)は消えず』(香港、アナスタシア・ツァン) は、こうした時代にネオンサインの職人として生きた夫の死後、彼のやり残した仕事を完成しようと、妻や愛弟子が奔走する。

 失われたものへの郷愁だけではなく、生前理解しきれなかった夫への悔恨、挫折続きだった青年の思い、やがて離れていく母国や家族への恩義といった周囲の諸々が重なり合うことで、クライマックスで完成した一夜限りのネオンサインは、いっそう輝きを増している。

      

 

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