自分流

 毎日大量のネタを考えては投稿し、お笑い劇場や芸人にもセンスを認められながら、人間関係が不得手なために、ことごとく挫折する。ハガキ職人の自伝的小説を実写化した『笑いのカイブツ』(日本、滝本憲吾)は、天才的なオタクの物語と言えようが、彼が実社会に溶け込んで成功するなどというお決まりの展開には、していない。一度は仕事の関係を解消した芸人から、表舞台への復帰を求められても、あえて拒む。自分流の生き方を貫くことに、ドラマ的なカタルシスとは別次元の価値があろう。

        

 

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