里親探し

 余命わずかのシングルファザーが、幼い子どもを連れて、里親候補の家を訪ねて回る。『いつかの君にもわかること』(イタリア・ルーマニア・英国、ウベルト・パゾリーニ)のほとんどは、父と子どもが触れ合う場面だ。手をつないで歩き、共に遊び、状況の分かっていない息子に死の意味を理解させていく。あちこちの家を訪ねていくうちに、子どもも「要旨」の意味を感じ取れるようになる。ふんぎりのつかなかった父親が、ようやく後を託すべき家を訪ねたとき、子どもは扉の前で、父の顔を見る。息子を安心させる表情だった。

      

 

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