銭ゲバの決着

 病を治療する金がないために母を失った少年。金を盗み、敬愛する知人を殺し、一線を越えてからは、金にのみ執着し、邪魔な人間はいとも簡単に殺害していく。犯罪を重ねても露見することはなく、悪夢に脅かされるだけだ。

 ジョージ秋山銭ゲバ』(幻冬舎文庫)の男は、会社の社長に居座り、知事にも登りつめながらも、虚無感が解消されない。彼のように自ら命を絶つのは、この世では少数派だろう。

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