番組抜擢をちらつかせ、セクハラ行為を重ねたテレビ局のCEO。被害者の女性たちが局内で声を上げるには、地位の喪失など、多くのリスクを伴う。『スキャンダル』(カナダ・米国、ジェイ・ローチ)は、それぞれの立場で事件に立ち向かった女性3人の生きざまをとらえる。
地位を利用して甘い汁をすすったCEOは、投資家という更なる権力によって、あっさりお払い箱にされる。もっとも、それで万事解決と言うわけではあるまい。たとえ被害者が賠償金を得たり、職務を回復させたとしても、セクハラで受けた心の傷は、生涯消えないからだ。