生物の共存

 広大な荒れ地が恵み豊かな農場に生まれ変わった。家畜だけでなく、野生の鳥や動物、虫たちも集う楽園だ。『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』(米国、ジョン・チェスター)は、監督が妻と農園を作り上げた6年間の悪戦苦闘が、美しい映像で記録されている。

 家畜や作物が外敵に襲われたり、農場に山火事が接近したり……。想定外の困難を救ったのは、生物の共存力に身を委ねることだった。時間と共に、幾多の障害は克服されていくのである。

 ようやく軌道に乗ったとはいえ、この農園のスタイルがすべてだとは、監督自身も思ってはいない。農場のあり方自体も多様性が認められるべきだろうし、自然の状況は絶えず変化する。人間は、自然の驚異と再生力を謙虚に学ぶしかないのである。

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