人と時間


 濱口竜介の映画と言っても、『寝ても覚めても』(日本・フランス)は、2時間弱に収まっている。プロの俳優を使えば、濃縮した時間でも十分に広がりを感じさせることができるのだ。
 似ていても異なる新旧二人の恋人に挟まれて、女の心は揺れるが、それでも落ち着くところに収まっていく。内面には独自の時間が流れ、特別な人もいるが、彼女は特殊な人間ではない。周囲の男女も、同様なのだ。 

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