死者は揺らす

 東日本地震の死者が時を超えて夢に現れる。姿を見せるのは、恋人だけではない。上演する演劇のモチーフとなった人物もだ。
『SHARING』(日本、篠崎誠)は、震災による傷を心理学的に描いたホラーだ。
 生き残った人間に、死者がいつまで関与するのか。忘れられたくないという気持ちが、こちら側の世界に残留している限り、現れるだろう。
 メッセージは、時間を変え、別の場所でも発生する。今日も、どこかの地で、人を揺らす。

 

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