持ち上げるわけではない。といって、全面批判の側に立つわけでもない。
わかりにくい存在の首相が、いかなるタイプの人間で、どのような思考をしているのか。
青山和弘『安倍さんとホンネで話した700時間』(PHP研究所)は、まるで仕事仲間のように解説する。一定の理解と、一定の距離を保って、接しているのだ。
政治は、選択肢の集成である。完全無欠ではあり得ない。今いる人材を立て、今可能な政策を実行するしかないのだ。
政策の賛否はともかく、現政権を握る人物をいたずらにはねつけるのでなく、ある程度理解しようと努めることは、国民にとっても意味のあることだ。