記憶を届ける


 ドキュメンタリー『“浦”によせる物語〜作家・小野正嗣を育んだ蒲江〜』(Eテレ)は、郷里の亡兄と芥川賞作家とのかかわりを紹介する。
 だれの悪口を言うこともなく、純粋だった兄。彼とかかわった集落の人たち。
 若者たちのほとんどは、土地を出ていくが、浦の風習は今も受け継がれている。
 人や活動の記憶は、語り継ぐ者がいなければ、消えてしまう。作家は、記憶を形に残し、遠い地まで届ける役目を担っている。

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