生物のもたらすもの


 CG技術の進歩で『ジュラシック・ワールド』(米国、コリン・トレボロウ)の恐竜たちは、よりリアルにスクリーンを闊歩する。
 実際にテーマパークで観覧しているかのような楽しさとスリルを味わえるが、恐竜が逃走したとなると、話は別だ。
 科学技術が発展するほど、開発者にも欲が出る。遺伝子操作の行き過ぎで凶暴化した恐竜が、観客を危険な目に遭わせ、パークは倒産の危機に陥る。
 それでも、人間は科学と快楽の追求をやめないだろう。
「進歩=悪」ではない。生産と破壊の繰り返しから逃れられないのが、人間という罪なる生物の性なのだ。

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