敵に学ぶ


 政権交代をめぐる国民投票で世論を変えたのはTVCMだ。独裁政権に立ち向かうため、広告ディレクターが使ったのは、敵陣の手法を逆手に取った未来志向型のCM。現政権による虐待を批判するよりも、あえて資本主義世界を肯定し、バラ色のイメージを押し出したのだ。
 1990年代後半のチリ政権。敵に学ぶことで敵を倒した『NO』(チリ・アメリカ・メキシコ、パブロ・ラライン)の広告手法は、一方で、資本主義成熟後の格差拡大も暗示していた。

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