歴史の普遍性


 日本国憲法の歴史は、まだ半世紀に及ばない。これが「伝統」になるかどうかは、今後の問題である。もしなれば、日本でも伝統的原則の普遍性について語ることができるだろう。もしなれば、日本でも伝統的原則の普遍性について語ることができるだろう。もしならなければ、日本の政治的伝統は地方的特殊的であり、普遍的な原則とは結びつかないだろう。いずれにしても、さしあたり憲法の精神は伝統になり切っていないから、それをふみにじるような傾向が、次第に強まってきても、日本の外務大臣・元防衛長官・多くの大学の学長・多くの新聞人と作家と学者が、連名で、伝統の名のもとに、それに抗議することができないのであり、それが米国と日本との大きなちがいの一つである。(加藤周一「一九八八年の想出三つ」『ジブリの教科書4 火垂るの墓』文春文庫収録)

 歴史の普遍性は、現在を生きる者たちの行為で証明される。

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