文章の変化

 あらためて読み返してみて、最初の3年半ほどと、この一年半では、少しトーンが変わっていることに気づいた。簡単に言えば、後半部分のほうが攻撃的でストレートに表現しているのだ。
 ひとつには、原稿のチェックの仕方を変えたことも大きかったのかもしれない。最初の頃は、「これはちょっと言い過ぎかな」と思う部分をあとから削ったり、直したりしていたのだけれど、そのうちに、一回チェックをして「どうかな」「よくないかな」と迷った部分も、何回か読み返しているうちに、そんなに悪くないじゃないか、と思ったりすることが多くなっていき、次第に、むしろ最初に素直に出てきた言葉を大事にするようになったのだ。(三浦知良『やめないよ』新潮新書

 サッカーの技術同様、文章力も変化し、成熟する。

  

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