小説の意識


 斎藤美奈子は、〈リアリズムから外には半歩たりとも出ようとはしない〉といういわゆる旧型の同人誌と、文芸誌を比較しつつ、前者の小説に欠けている部分を指摘する。 

釣りや演劇という古典的な道具立てでも読者を異次元に誘うことはできるのだ。〈「今の話、まともなところが、ほとんどないよ」〉という部分がなかったら、小説なんか読んだって何もおもしろくないじゃない?
                (『文芸時評朝日新聞26日朝刊)

 文芸誌が要求に応えられているかどうかはともかく、両誌の意識差は興味深い。

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