21世紀の映画


  映画は、資本主義とか社会主義とか、そういった国家権力が意図的に作り出そうとしない限り存在できない芸術です。……そのために、映画は世界と世界が対立している最前線に立たされる運命にあり、いつ総攻撃を受けて崩壊してもおかしくない状況にあるのだ、と言っていいのではないでしょうか。だから今こそ、映画を崩壊させないために、そして世界を崩壊させないために、映画は率先して境界線を乗り越え、外側に向かって自らをさらけ出す屈辱に耐えなければならないのではないでしょうか。
       (黒沢清黒沢清、21世紀の映画を語る』boid)

 今世紀の映画は、境界線に立つ時の緊張感と、無縁ではいられない。

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