すばらしき堅気

 佐木隆三の原作執筆時よりも、現代のヤクザは、『すばらしき世界』(日本、西川美和)に描かれるように、より生きづらい立場にある。ヤクザ的な世界でなければ、肌に合わず、自分を活かせぬ人々もいるはずだ。

 堅気の人との境界線を引き、すみわけをすればいいのであり、境界線をぼかして、倫理感のない者を潜伏させるような世界が、安全なわけはない。ヤクザが社会的地位から次々に駆逐されている今、堅気を装う人間たちが、合法であることを盾に、弱肉強食を正当化し、私腹を肥やすのは、きわめて容易である。

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