家族


 何の衝突もない幸福な家庭ほど嘘くさく、問題をかかえる家庭ほど、真実味がある。
『ぼくたちの家族』(日本、石井裕也)は、母の難病発覚をきっかけに、一家の思いがけぬ秘密が明るみになる。
 両親の借金、長男の引きこもり、若夫婦の溝……。
 それでも家族の関係が途切れるわけではない。
 重い衝突を繰り返しつつ、なお関係が続くのが、家族なのだ。
 タイトルは、すべての家族におくられている。

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