小説の価値

 その人の考えたことが本当に新しいものであるならば、そんな作品はまだ現実には存在しないのだからそれを批評する批評言語だってまだ存在しないのである。だから自分の作品の新しさを保証してもらおうと思っても、現実にその小説を書きあげてからでない限り、なんの評価も期待できない。(筒井康隆『創作の極意と掟』講談社

 小説が幻である限り、存在価値はない。地上において、有効かどうかは、書かれた上での話なのだ。

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