浮遊する世界


 チェルフィッチュ『地面と床』(神奈川芸術劇場)では、パフォーマンス・音楽・セリフそれぞれが、突出するのではなく、共生しながら、世界を演出する。3カ国語の字幕でさえ、ワキ方の役割を担っており、同時に批評対象でもある。
 幽霊となった母の前で、勝ち組の長男夫婦と負け組の次男とが交錯し、引きこもり女性が突発的に乱入する。
 主張はシンプルながら、岡田利規の作り出す世界は、いつもながら刺激的で、思考を心地よく浮遊させる。
 

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