人間は多様

 震災はもっといろいろな角度から描かれるべきです。たとえば、同情されたくない老人。一人だけ生き残った人の、理由のない罪障感。人々の不幸につけ込んだ小悪党の貧しさと孤独。近づけなかった異性と避難所の一つ屋根の下で眠る少年のときめき。立ち入れない深い絶望。(「時の回廊 山田太一岸辺のアルバム」 励ますだけがドラマか」『朝日新聞』27日夕刊)

 戦時中でさえ、多種多様な人間がいた。
 現実から目をそらしたり、きれいごとで済ませてはならない。

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