小説の変革

 小説は、そもそも書くのにも読むのにも、とても時間がかかるものなのだった。目の前の出来事にたいしては即効性を発揮できないかもしれないけれど、それでも、そのぶん時間をかけてゆっくりと人の深いところに降りてゆき、本人にも気づかれないような静けさで、知らないあいだになにかをそっくり変革してしまうことだって、できるのだ。(川上未映子「スノードーム前夜」『ダ・ヴィンチ』5月号)

 変わるなら、ゆっくりと。

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