往きと還り

 親鸞は「人間には往きと還りがある」と言っています。「往き」のときには、道ばたに病気や貧乏で困っている人がいても、自分のなすべきことをするために歩みを進めればいい。しかしそれを終えて帰ってくる「還り」には、どんな種類の問題でも、すべてを包括して処理して生きるべきだと。悪でも何でも、全部含めて救済するために頑張るんだと。
          (吉本隆明「本を開けば」『朝日新聞』20日)

 今は往きか、それとも還りか。

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