脳内世界


 批評的要素が持ち味の演劇ならば、漫画のパロディーのような設定であっても、どこかでシリアスな展開に反転するものである。   
 ところが、『俺のお尻から優しい音楽』(五反田団三鷹市芸術文化センター)は、デフォルメされた演出が延々と続き、最後までコント調のままなのだ。
 フランスを舞台にしようが、クラシック音楽を取り上げようが、自分の脳内世界に徹する。主宰者の前田司郎にとっては、ガス抜きのような題材だろうが、彼らしい作品でもある。

アクセスカウンター