家族の風土


 家庭で追放された次男が5年ぶりに戻ってきた。白血病の母に骨髄を提供するためだが、母は、もとより、長女も彼を嫌っている。
 日本の家族劇ならば、じめじめしたものになりがちだ。フランスの『クリスマス・ストーリー』(アルノー・デプレシャン)では、冷淡に突き放す一方で、どこかつながりを持とうという構図で、とらえられている。
 個人の生き方を保持しつつ、相手との接点を見出していく。家族関係にも、個を尊重する風土が根ざしているのだろう。

 

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