おまじない


 月子の母が突然連れてきた年下のヤンキー青年。近所の大家や町医者。みんな人情的だ。
オカンの嫁入り』(日本、呉美保)は、一見、ファンタジーにも見えるが、月子は、外の冷たさも体験している。
 会社ではストーカーまがいの同僚に脅され、彼のためにも出社しないでくれと上司に突き放された。職場に戻りづらくなり、駅のホームで目まいがした。以来、町から出ず、仕事もしていない。
 母の用事に付き合い、久しぶりにホームに立った。電車が近付いたとき、母が耳元で、おまじないをつぶやいた。
 月子が一人で生きていくようになっても、効き目は続くだろう。 
 

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