歴史のバトン


 倉本聰の脚本によるドラマ『歸國(きこく)』(TBS)では、南海で玉砕した英霊たちが、終戦記念日に東京を訪れ、変わり果てた日本の姿を嘆き悲しむ。
 劇中の英霊たちは、戦時の日本人こそが正しく、現代の日本人こそが誤まっているという主張に固執している。しかし、そもそも戦時の慣習や体制がすべて正当だったのかどうか。旧時代の反省を踏まえたからこそ、今日の日本がある。
 歴史が連続する以上、バトンの受け渡しは、受け手だけでなく、渡し手にも、責任が発生するのである。

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