2010-09-01 持続力の源泉 大作『七人の侍』を完成させるには、情熱と昂奮状態を長期間持続する必要があった。 『黒澤明「七人の侍」創作ノート』 (文藝春秋)のあとがきで、解説担当者の野上照代は、黒澤の言葉を回顧する。 黒澤監督はたしかにこう言っていた。 「一時的に爆発するのはやさしいが、それを持続する力がなければ映画監督にはなれない」と。 現場で大胆な発想と強固な決断を徹底させた黒澤のよりどころは、台詞・人物設定・場面などを入念に書き込んだノートだった。