中年の恋愛

mukuku2010-03-28

 若年と違い、様々な荷物を背負っている中年は、直情的な恋愛の成就が難しい。一つ一つの行動に、不自然に見えない理由と手続きが必要であり、引き際のタイミングも心得ていなければならない。
 こうしたハードルを設けることなく、ご都合主義的に作られたドラマは、リアリティーを欠くことになるが、山田太一の脚本による『遠まわりの雨』(日本テレビ)は、20年前に関係を持った中年男女が久しぶりに再会し、くすぶっていた思いを再燃しつつも、消し去るまでを、ベテランらしい手腕で巧みに構成している。駅のホームで別れるラストは、やりすぎの印象もあるが、ドラマとしては、許されるのだろう。

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